今回は、昨年の秋にご紹介した、修復中のビンテージ本のその後をご紹介します。前回は本文用紙自体を強化をする為に、糊入れ作業をおこないました。保湿も出来、また水分を加えることで汚れも落とすことが出来たので、紙の色がワントーン明るくなりました。
次は目引き穴(折り帳を糸でかがる時に必要な穴)の修復と、背や本文ページに所々見られる亀裂や破れの修復です。これには繊維の沢山絡み合う、丈夫な和紙。そしてタバコ紙を使います。タバコ紙は純白色なので、これはビンテージの本の紙にそのまま使ってしまうと、いかにもここを修復しました。と違和感が出てしまいます。そこで、紙を紅茶にしばらく浸し、色を合わせてから使います。コーヒーの方が早くしっかり染まるのでは?と思うところなのですが、コーヒーは一見染まったように見えても、色がすぐに飛んでしまいます。